駅の時計を見ると、
7時だった。
「ちびまる子ちゃんもサザエさんも終わっちゃったね。」
「さりちゃん見たかった?」
「うん。」
さっきまで楽しくクリスマスパーティーをしていたことなんか頭の片隅にもない。
すぐに思い出すだろうけど、
今はまだその時間じゃない。
一駅だけ電車に乗る。
窓の外を眺めるさりちゃんと一緒に外を見た。
町の光が線を描いて通り過ぎて行く。
黒いキャンバスに絵の具を散らばして、
適当に書いて、
そんな景色を見ている。
それは今のさりちゃんの頭の中と一緒。
さっきまでの今日の記憶を、
一個あった嫌なことで、
全て消してしまう。
そして今適当に記憶を埋めていく。
黒い頭の中に、
楽しかったことだけ思い出して、
埋めていく。
何事もなかったかのように。


