「コート羽織って。玄関でちょっとだけ待ってて。分かった?」
首を縦に振ると、玄関に腰を下ろし小さくなって座った。
「ごめん。今日は帰るから。せっかくの楽しい時間を壊してごめんね。」
「さりなはどうしたんだ?俺何かした?」
「祥吾は悪くないよ。明日学校で詳しく話すから。トシも、香代もごめんね。」
祥吾は涙を流していた。
ショックだろう。
自分の彼女にあれだけ、
拒否されてしまったら。
トシと香代は呆然だった。
あんな姿みたら誰でも驚くだろう。
「帰ろっか。」
僕の手を小さな手が握り返す。
涙でいっぱいの目を袖で拭いてあげる。
興奮しすぎて赤くなった頬にそっと手をのせると、
やっと笑う。


