「あげない」
そう答えた。
「なんで、作ってくれねーの?」
そう寂しそうに聞く朔哉に、
「作ったけど…可愛い子が渡してたんだもん。
迷惑かなーって思ってさ」
正直に言ってやった。
「迷惑なんかじゃないんだけど。
俺、他の誰よりもお前のチョコが欲しい」
朔哉……やめてよ…。
「そんなこと言ったら…勘違いしそうになるじゃん!」
言っちゃった…。
「勘違い…?俺が、茉維のことを好きってことを?」
「そうだよ!勘違いしそうになるんだよ…」
涙が出そうなのを必死にこらえる。
「それ、勘違いじゃないんだけど…」
「は……?」
な、何言ってんの?朔哉。