電車には君がいた


「で?イケメンって誰だよリカ」

「………秘密。」

「へーえ?彼氏にも言えないような話してたんだリカちゃん?」

た、大河くん怖い…。

「ちっ、違うの大河くん!あたしのことなの!リカには相談に乗ってもらってて…その…」

あたしはしどろもどろになりながらも一生懸命リカの無実を晴らした。

「なーんだ♪…え?!天宮、彼氏出来た?!」

「ち、違う!好きな人!てか声大きい!」

「あ、ごめん。へー天宮に好きな人か…。」

大河くんは何かを考えてる様子。

「ちょっと、大河、他の人に言うんじゃないわよ。」

リカがあたしの気持ちを言ってくれた。

「いっ、言わねーよ!」

「ほんとでしょーね?」

「や、約束する!約束するから!な?天宮!」

「あ、うんよろしく…」

「それじゃあ!」

大河くんは嵐のように走っていった。
あたしが心配するような目で大河くんを見ていたのだろう。リカが

「大丈夫よあいつは。見かけによらず口硬いんだから。」

と言ってくれた。

「…うんわかった。大河くんとリカを信じるね。」

今度は微笑みながら心の底から言えた。

「まー…、あいつは疑われてもしょうがないけどね。ふふ」

そう言いながらも、リカの顔には愛情が出てる。
いいなあ。あたしも高木さんとそんな関係になりたい。

彼女さん、いないといいな…。