電車には君がいた


「あ、今更で悪いんだけど....」

高木さんが申し訳なさそうに言う。

「えみかちゃんの名字、あと名前の漢字は?」

「あ、言ってませんでしたね。
えっと、天の宮に咲く華で天宮 咲華です。」

「へえ、綺麗な名前だ。」

「ありがとうございます。あの、高木さんのお名前は....」

あたし、高木さんの名前知らなかった。

「俺?俺は高木 舜哉。舜哉って呼んでよ、咲華。」

「あ、名前....」

凄く恥ずかしくなった。
でも凄く、嬉しかった。

「じゃあ、行こっか、咲華。」

「はい!」