電車には君がいた


「あ、あの…高木さん…」

「ん?」

「色々、御迷惑をかけてしまってすみませんでした。」

「んー…俺はありがとうが聞きたいかな。」

「あっ、ありがとうございました。」

可愛いな。

「それからー、俺の名前を知ってるのはなんで?」

えみかちゃんは俺の言葉を聞くと顔を赤くしてまた俯いてしまった。

「ま、まあ、俺もえみかちゃんの名前知ってたしおたがいさ「高木さんの事、ずっと見てたんです」」

…………え?





予想外な答えが返ってきた。

「俺の事をずっと見てた…?」


えみかちゃんは顔を赤くして続けた。


「ずっと…格好いいなって…素敵な人だなって…」


それからちいさくすみません、と謝った。


俺は舞い上がった。

「イヤイヤ!謝るところじゃないし!むしろ嬉しいっていうか…」

やべっ、変なこと言っちまった

「お、俺の事そんな風に思ってくれてたんだね、」

えみかちゃんは今も尚顔を赤くしている。

「はい…あの…」

俺はすこぶる上機嫌だった

「ん?」

「高木さん…は、なんで…あたしの、名前、を…」

あ、やべっ、
んー、えみかちゃんも勇気を出して言ってくれたことだし、俺もいっちょ


「俺も一緒。」

「え…」