電車には君がいた


高木さんがこっちを向いた。
バッチリ、目が合った。


ヤバイ!高木さんを見てたってバレちゃう!!

慌ててあたしは俯いた。


うー…。バレちゃったかなぁ…。


あたしは性懲りもなく高木さんを
チラッとみた。

高木さんは、




――――笑っていた。



あー…バレちゃった。

いつもならリカが見すぎ!って止めてくれるのに。
リカだ!リカが遅いからこんな事に!
と、理不尽に怒りをリカにぶつけていた。

その時、ピコーンと携帯が鳴った。
リカからだった。
熱出た休む。
液晶画面にはそう出ていた。


え?!リカ休み?!
嘘でしょ…。
この路線には痴漢が多い。
どうしよう…
いつもはリカがいたから心強かったけど…。

まあ、大丈夫だと思うけど。