「すーはーすーはーすっすっはっはっすーはーすーはー」 ……ええい! 煩い! 流石に耐えきれず、私は席を立ち上がり、文句の対象に近付く。 「……中谷君」 さりげなく。 そう、さりげなくが大事なのだ。 彼のようなタイプは、叱りすぎてしまうと重く受け止めてしまいそうだから。 私は今すぐにでも怒り出しそうな感情を押し殺し、優しく笑顔を作って彼の前に立つ。 するとその気配に気付いたのか、中谷君が顔を上げた。 「………藤川さん?」