「俺に出来ることってなんだろうな」
もう背負わなくて良い−−そう言い続けること?
俺にも頼って下さい、そう行動や言葉で示すこと?
−−−分からない。
それとも、傍で寄り添うことだろうか。
……そんなの、結局本人に直接聞かなければ分からないことだと分かってはいるのに、ぐるぐる推測してしまう。
何が一番されたら嬉しくて、悲しくて………何が一番好きなんだろうか。
しまいには論点がずれていることまで考える始末。
「まだまだ、藤川さんのこと何も知らないんだな、俺」
そんなポツリと漏らした俺の呟きすらも、
この静かな部屋の中では、いつもの誰もいないオフィス以上に響いてしまうのだった。



