そう優しく、肩を少し揺らして言ったつもりなのだが。



「んー………?」



肝心の本人は………ねがいりを一回打っただけで。
言ったことに関して実行する気配さえない。




「藤川さん……おーい、起きてください」


「ん……んん」


「藤川さん」


「ん……」



後何回か同じことを試みたが、ずっとこんな調子で。




………駄目だ、こりゃ。


ヤレヤレ、と思わずにはいられなかった。



「仕方ない……毛布持ってくるか」



本当はせめて、ベットで眠ってもらいたかったのだけれど。
こればかりは……仕方ない。