「藤川さんー? お風呂上がりましたよ」



ドライヤーもお風呂場に完備されていたので、二度手間を省くために使わせてもらったのだが、それがいけなかったのか。



「藤……あ、寝てる」



予想外に時間を食ったせいか、
リビングのテーブルで顔をうつ伏せにして、腕でそれを軽減しつつ……という、よく一般的に見る形で俺の上司は、ぐっすりとお眠りになられている。



「きっとこれじゃあ、この人起きないだろうな」



そんなことを言いながらも、ここでは体が冷えてしまうだろう、と思い、
「藤川さん、起きてください。 次お風呂、藤川さんですよ」。