「なぁ、泊まっていけよ。
今日はもう遅いし、明日は仕事もないだろ?
なら、良いじゃないか。
これは上司命令だから」



何か言う前に封じてやった。


中谷君はうーんと何かに葛藤している様子を見せながらも、
「ありがとうございます、そうさせて貰います」と、優しく微笑んでからバスルームへと旅立って行く。





「あ、それと!
他の人にはそんなこと言っちゃ駄目ですからね!?
……藤川さん、誰にでもそう言いそうだから」



そう、ご丁寧に要らない言葉を付け加えることも忘れないで、
言い終えた満足感からなのか、その後に私が言おうとしたことを聞かずに、パタン、とドアを閉めた。



いや、俺は−−…あんまそう言うのはしないのだが………まあ、いいか。