「藤川さん、中谷です」


ピンポーンとベルが鳴り、液晶と電話で確認すれば、
いつものカッコいい中谷君だった。



「ああ、良く来たね。どうぞ」


−−今、私は上手く笑えているだろうか。
いや、最低、上手くなくても良いから、
笑っているように中谷君が認識すれば良い。



ガチャリとロックを解除して開けてやれば、
中谷君はおじゃましますと中に入ってきた。



「やあ、よく来たね。
ここに座って。」


リビングに案内して座る場所を教えれば、
中谷君は大人しくイスに腰かけてくれた。



「あ、そう言えば、お手洗いはあそこだから好きに使って」