「……っ、分かったよ」


舌打ち混じりに了承すると､中谷君はにっこり優しく笑う｡

そして中谷君は､何を早とちったのか､
私の背中に抱き着いて､私の耳で何かを囁いた｡



「今は…許して下さい」


さっきの態度とは正反対に､弱々しく抱き締めるものだから､
私は苦笑いして､少しだけならとその行為を許した｡


……ずるいなぁ｡
そう言われたら､誰だってふりほどけないじゃないか｡