「……り」
「ん？」
「やっぱり､藤川さん俺に興味があるんですね｡
……ああ､違うか｡
俺から何か通して見ていて､俺じゃない誰かに興味がある−−−違いますか？」
……当たりだよ､中谷君｡
私はフッと肩から力が抜けた｡
「ご名答､とも言いたいけど､流石の君もその何かが分からなかったみたいだ」
「藤川さん､俺は……」
「……聞きたくないよ､今は」
「だったら確信して下さいよ」
「嫌だね､中谷君話してくれないし､何考えてるのか分からないし」
「そう言うあなたこそ」
「ほら､やっぱりお互い様じゃないか｡
だから､今日のこと−−いや正確に言うと､今のことは忘れて､いつもの様に戻らないか？」
……私は最低だ｡
そんなの､分かっているさ｡
