「正直に言うと十二時だしね、誰かと話していないとまた寝てしまいそうだからさ。
それにココアを出してくれたし、そのお礼。
中谷君、今二人しかいないしオッサンの戯れ言に付き合ってくれよ。
……良い機会だし」
「……随分正直ですね」
「ついでに、中谷君のこと、私はそこまで嫌いではないよ」
「どうだか。
今だから言いますけど、藤川さん、僕のこと嫌いでしょう。
……あれ、これ前にも言いましたっけ」
「言ったね。
あの時はびっくりした。
そういう君も私のこと、嫌いそうだよ?」
そういえば、何で二人っきりなんだろう。
私が寝たせいか……誰もいなくて良かったけどさ。



