「藤川さん、これ飲んだ後にもう一眠りされます?」
中谷君が申し訳なさそうに聞いてくる。
「いや、溜まってる仕事を片付けないと」
寝ないよ、とそんなニュアンスで言って、
私は中谷君を見ずにパソコンに目を向ける。
パスワードを打ってっと……
パスワードを打ってログインするのを確認して、
こんな時間だし、とつけ加えると中谷君もそうですね、と同調した。
「……筋トレ出来そうにありませんね」
作業に没頭しようとした瞬間、そう残念そうな声色で呟く中谷君の声を聞いた。
……君、まだ筋トレをしようと思ったのか。



