……中谷君、君は優し過ぎだろう。 私は不覚にもそう思ってしまった。 今までは半信半疑だったが、今ので君みたいな男が女にモテるのは頷ける。 「………うなされてたんだな」 確認するかのようにボソッと呟く。 「……? 何か言いましたか?」 幸い、中谷君には聞こえていなかったようだ。 「ううん、何でもないよ」 にっこり笑って言うと、中谷君はホッと安心したような表情になった。