「そんなフォローで笑顔を作られても、僕……全然嬉しくないです」
中谷君の目が俺をまるで今すぐ食べようとしているかのようだった。
「……そんなことを言われても、私は君を褒め」
「だからなんだって言うんです!」
強い声。
中谷君の声が部屋中を鳴らす。
……ビリビリくる。
「嫌いなら嫌いで良いじゃないですか。
避けるなり、叩くなり、煮るなりすれば良い。
なんで貴方は優しく期待させることをするんですか。
俺、貴方のそういうところが美点だとは思いますが嫌いです」
………知らなかった。
中谷君だって怒るのか。



