「毎日筋トレしてるし!
息づかいうるさくて気になるし!
でも誰も咎めないし、むしろ好青年だし!
目に入っちゃうんだよ!!」



中谷君は、ぽかんとした顔で私のことを見ている。


……ははっどうだ、してやったりだな。


嗚呼、でも。

流石に可哀想だから助け船…フォローはしておこうか。



「中谷君、でも私は仕事上では君を評価してるよ。
器用だし、覚えも良い、印象は…私は最悪だが、
他人からすれば好印象だからやりやすい」



にっこりと今まで身につけてきた営業スマイルで彼に笑いかける。



「……藤川さん、止めてください」



すると中谷君は、今度は少し眉を潜めながら、静かに私を制した。