チェンジ type R

――は、隼人くん、落ち着いて!

 まずは興奮しきっている隼人くんを落ち着かせるのが先決だ。
 目をキラキラさせて、息も興奮で荒くなっている隼人くんをなだめる。
 隼人くんって、興奮するとこんな感じなのか……。

 クールを装っていながらも少し興奮すると素の部分が出る辺り……何だかお父さんに似ている。
 名前といい、性格といい。
 時たま見せる優しさなんかは本当にお父さんソックリだ。
 ややファザコンが入っていると噂されるレベルの私としては、こんな非常識な状態ではない時に出会いたかった。
 そうであれば、ぜひ結婚を前提に……じゃなくて。

 しかし、まるっきり共通する部分が無いと思っていた隼人くんに、思ってもみなかった共通項が見つかった。
 まあ、お父さんの小説を好いてくれている、という非常に些細なものではあるが。
 それでも、これまで入れ替わってしまっていても、何だか別世界の人のような気分でいたのだ。
 それが近い存在に感じられて。なんだか……とても親近感が沸いてくる。