玄関に立ち、並んでいる靴をざっと見渡した。
 四足ほどの靴が並んでいて、スニーカーが二足にハイヒールが一足、後はサンダルが一足。
 私は大きめのスニーカーを選んだ。

 思った通りにスニーカーはこの身体にピッタリなサイズだ。

 ドアノブを捻ってドアを開ける。
 予想通りに――ドアの外には全く見知らぬ風景が広がっていた。

 玄関から足を一歩外に踏み出し……私は一つ、あることを思い出した。

「あ! 隼人くん、財布からお金、ちょっと貸してもらうね!」

 一応……断っておかないとね。