キミヲオモウ


「え、これさっきの...」

麻衣子が渡してくれた紙には
さっき流れてた曲の持ち主達が写っていた。

その紙を見て私は固まった。

「どお?リカ?
真ん中のボーカルらしき人
リカのど真ん中でしょー!」

はい...。おっしゃるとおりです...。
顔もすごくタイプな上に
声もタイプなんてずるい。
けどこんな人たち遠い世界の人。

「確かにすっごくタイプ...。」

「この人たちね、song landで
よくライブするんだってー!
ねぇ!見に行こうよ!」

「えっ?本当に?すごく行きたい!
さっきの曲生で聞きたい!」

「よーし決まりっ!
さっきカフェの店員さんに聞いたんだけどこの人たちここら辺に住んでるんだってー!
リカ好きな人欲しがってたでしょー?
もしかしたら...もしかするかもよ( 笑 )」

麻衣子がニヒルな笑顔で笑った。

「もーやめてよ!バンドマンなんて好きになっても虚しいだけじゃん!
私は曲が聞ければそれでいいのっ!」


そう。バンドマンなんて好きになっても
ファンとしてしか見てもらえない。

そんな叶わない恋なんて
してたって意味がないじゃない。