面倒くさいことこの上なかったけど、よく見れば真っ黒な瞳は長いまつ毛に縁取られ、抜けるように白い肌は頬だけがピンク色に染まっていた。 唇はプルンと潤っていて血色がよくて、うまそう…じゃなくて、化粧なんか何もしていない…おそらくすっぴんなのに、俺が出会った中でもかなりの美少女だ。 しょーがねぇなぁと思い、ここは怒りを抑えて外面だけでも保っとくことにした。 「君、大丈夫?」 心配なんかしちゃいないけど、一応、心配そうな声音で言ってから手を差し伸べた。