〈エイリの場合〉 緊急の一報が入った時、僕は正直、自分の耳を疑った。 だから、というのは言い訳になるけれど、頭が真っ白になった気がした。 催促されても指示の一つも発せず、動こうともしない僕にしびれを切らした伝令が、もう一度同じことを言い始めた時には(息も絶え絶えに走ってきてくれて、一生懸命に事の次第を報告してくれているにもかかわらず)彼の言っていることは嘘なんじゃないかと、疑いの目で見てしまった。 今思えば、僕はかなり動揺していたんだとわかる。