イサヤのことが気になった私が、彼に向かって一歩踏み出したのと、イサヤが口元を手で押さえながら前かがみになったのとがほぼ同時だった。

「イサヤ!!」


夢中で叫びながらイサヤに駆け寄った。

ドクン、ドクン、と心臓が脈打つ。

走ったからじゃない、なんだか嫌な予感がするから。