島田先輩は同じ女子バスケ部の一年先輩だった。



フワフワした髪の毛をしていた

当時の副キャプテンで、

雰囲気はすごく優しそう。


実際島田先輩は怖い先輩ではなかったが、

その友達はちょっと怖かった。


当時中学二年生だった私。

結衣と一緒に朝練のためコートに来たら、

島田先輩とその友達である藤堂先輩が

もう既にいた。



「今日も早いですな、島田先輩たち。」

結衣が冷やかすように言う。



上下関係は結構厳し目なうちの部は、

朝練は先輩よりも後輩が30分前に

来ることになっている。


その30分間は一、二年生が自由に

練習できる時間でもある。


でも、毎日のように島田先輩たちは

私たちが来るよりも早く来ていた。



結衣と私は先輩たちが鎌田に話しかけて

笑っている姿を遠くから見ていた。


島田先輩はちょっと照れながら

鎌田に話しかけている。


「まぁ島田先輩は

鎌田が好きなんだろうねー。

毎日すごいと思う。」


私は本心からそう思った。

朝起きるの辛いのに・・。私は朝が苦手だ。



「あの二人、付き合ってるのかな?」

小声で結衣が言う。


「そうなんじゃない?

鎌田も嫌がってないじゃん。」


あの練習好きの鎌田が

練習を中断されても

毎日話に付き合ってるんだから。



「そうなのかなぁ。

先輩だから調子合わせてる

だけじゃない?」

噂話好きの結衣の詮索は止まらない。



やれやれ。思わず苦笑した。


「結衣は佐々木先輩のことだけ

考えてればいいんじゃない?

私ボール取ってくるね。」


顔を赤くする結衣を置いて、

部室に向かった。



結衣は佐々木先輩の話になると

すぐ黙るから、

ついつい便利?で話題に使ってしまう。


結衣は本当に佐々木先輩が好きらしい。