奥手女子の恋愛事情

あれ?衝撃はあったけど、痛くない。

それに、なんだか床の上にしてはあったかい。


目を開けると、なんと私の下には加賀美がいた。

「いてて・・・青井、大丈夫?」

加賀美が言う。


「あれ?加賀美!なんでいるの?」

状況がよく分からない。


「遅いから様子見に来たら、

青井がやかん持って落ちそうになってた。」

クスッと加賀美が笑う。


「そ、そっか。 ・・・!!!」

我に返って、私はさっきからずっと加賀美に

かばわれた態勢のまま

抱きしめられていたことに気づいた。


「あ、ありがとう!もう大丈夫だから!」

と、加賀美の上から離れようとしたけど

加賀美の腕がきつく腰に

巻きついていて動けない。


「加賀美・・?」

どうしたんだろう。


「変なとこ打ったりした!? 大丈夫?」

私重かっただろうし、急に心配になってきた。


「大丈夫。
ただこのままでいたかっただけ」

黒い瞳が色っぽく笑って、

今度は加賀美が上になって私を見下ろした。


「青井の抱き心地がいいから

離れたくなかっただけ」

そう言ってキスをした。


初めは軽く。徐々に深くなっていく。

加賀美の舌が私の舌に絡まる。


「んっ・・・あっ・んっ」

気持ちがよくて、また声が出てしまう。

なんだか身体の奥がむずむずして

力が入らない。


唇を離して、私を見下ろした加賀美が言った。

「青井のその声聞くと、俺やばいかも」


もう一度軽くキスをした加賀美の唇が、

今度は首すじを這う。

上から下に唇が首筋を這っていったと思ったら

舌が首筋をツーっと舐め上げた。


「あんっ・・・」

気持ちの良さに息があがる。

加賀美を止めることもできるのに、

強く止めれない自分が不思議だった。


舌は首筋を這い上がり、耳たぶを舐めた。

耳元でぴちゃぴちゃと音がする。

その音は私をぞくぞくさせて、

何も考えられなくなる。

身体が熱い。


すっかり息が上がっている私の耳元で

加賀美が言った。


「もっとしたいけど、ここじゃ・・な?
続きはまた今度な」


耳元で聞く加賀美の声は

いつもの100倍は色っぽい。


「材料、まだあるんだろ?

俺も手伝うよ。」


加賀美が立ち上がり、腕を引っ張って

私のことも立ち上がらせてくれた。