奥手女子の恋愛事情

朝練が終わり、教室に入ろうとしたら

加賀美とばったり会った。

同じクラスだから不思議なことじゃない。


「おはよう。」

加賀美がいつものように言う。

この前のことなんて無かったみたいに、

普段通りに。


「お、おはよう。」

だから私もいつもの通りに挨拶を返す。

何もおかしなことはない、普通の朝だ。


何故だか分からないけど

あの時は加賀美がたまたま誰かに抱きつきたかった?

とか、

よく分からないけど

たまたま変になっただけで、

あれは無かったことなんだ!と思うことにした。



だって加賀美はいつも通りだから。


学級委員の雑用を一緒にやるのも

部活でマリオに一緒に呼び出されるのも

何も不思議なことはなくいつもの日常だ。



それなのに。


私だけ、あの日からいつも通りじゃなくなったみたいだ。