体育館裏の駐車場に止めてある
マリオの車の前に
加賀美と私は呼び出された。
「〜〜。来週末の練習試合は
そういうことだから、
みんなに伝えておくように。
じゃあ解散!」
マリオは加賀美と私にそう言って、
自分の車に乗り込んで帰って行った。
「来週末はT中と練習試合か。
楽しみだな。」
加賀美が言った。
T中学校の男子バスケ部は
県内でもかなり強豪だ。
うちの男子バスケ部にはちょうど良い
練習相手。
でも、女子バスケ部も中々強いので、
弱小チームの我がチームには荷が重い。
「私はちょっと気が重いかな。」
みんな嫌がるだろうなぁと思うと
顔が曇る。
弱いとわかっていても、
試合に負けるのは
やっぱり気分が良くはない。
「・・女バスも去年よりは
勝てるようになってきてるし、
結構良い試合になるんじゃない?」
加賀美がフォローしてくれる。
「そうだといいけど。」
「青井がキャプテンになってから、
前より強くなったよ。
マリオだってそう思うから、
来週末は女バスも一緒なんだろ。」
うちの部は
男子バスケ部と女子バスケ部の
レベル差がありすぎて、
男子バスケ部だけ練習試合をすることが
よくある。
「そうだね!ありがとう。」
マリオもそう思ってるなら、
多分そんなにひどい結果には
ならないんだろう。
加賀美の言うことは説得力があって、
いつも私を自然と元気にさせる。
