お風呂では、いつもより念入りにチェックをした。女の子にはいろいろあるからね(笑) 最近かけたばっかりのパーマの調子も良くて、慎司さんの好みかななんて考えながら髪を乾かす。

そのとき携帯の画面が光った。
画面には「ごめん、会えなくなった」の文字。

なんだこれ。
何してんだ、わたし。
完全に遊ばれてるじゃん。
馬鹿みたい....

慎司さんには家庭がある。でもあのとき慎司さんはキスしてくれた。また会いたいって言ってキスしてくれた。あのキスは何を表してたんだろう。

あれ....わたし、何考えてんの？
最近慎司さんのことばっか考えてる。
今までこんなことなかったのに、どうして。

わたしの頭は完全に壊れかけていた。これといってなにかあったわけではない。逆に何も無さすぎるぐらい。学生の時の手を繋ぐドキドキや、キスまでの空気感とか....
なのにどうしてこんなにも気持ちは揺らいでるんだろう。まだ数回しか会ってない。それなのにこんなにも会いたい。会えないことが当たり前なのに、すごく会いたい。



乾かしたばかりの髪を束ねながら、鏡にうつる悲しそうな自分の顔を見て確信した....

わたし。 慎司さんが好きなんだ。