「岡安、あご。あごだってば」
そういって、わたしのあごについたタルタルソースを拭ってくれるこの人は悠介くん。周りからも言われてるが、最近良い感じの人。学年は一緒だけど年齢は1つ上で、比較的面倒見がよく頼りになる男の人だ。でもお酒が入るとすぐ寝ちゃうという可愛いところもあって、おまけにベビーフェイス。女の子にモテないわけが無い。
その美貌とスタイルで芸能界に進みたいと思ってて、ちゃんと行動も起こしてる。雑誌にのったとか報告受けても、メンズ雑誌読まないし....とかおもって、いつか見るね なんて適当な返事をするわたしに興味が湧いたのか、最近やたら関わってくるようになった。「おい、でぶ」と言ってわたしの二の腕のお肉を摘むのが彼の日課になっていて、何げにハマってるらしい。
「岡安さ、彼氏つくんないの」
不意にそう言われて、頭に浮かんだのは慎司さんだった。連絡を取り続けて約半年。何度か会って、ご飯を食べて、部屋に行きたいと言われたこともあったけど 友達が泊まりに来るからと下手な嘘をついて逃げてきたこともあった。まだ体の関係がないのは、深入りして傷付くのを恐れている証拠だった。頭に浮かんだ慎司さんの横顔を消して、冷静に「つくれないの」とだけ答える。
「じゃ 今日うち来いよ。飯作って」
「ご飯くらいならいくらでも作りましょう」
料理の腕に少し自信があったわたしは、得意げな表情でそれを承諾した。
学校のあと2人でスーパーに行き食材を買っているとき、わたしが求めていたのはこういう緩い幸せだったなと思い出した。ピーマン食べれないから入れないでとか、レタスこっちの方が大きいよといった何気ない会話が、慎司さん相手には出来ない。隣には悠介くんがいるのに、わたしが求めていた形の幸せを掴めないのに どうしてあんな人好きなままなんだろうと、頭の中は慎司さんに占領されていた。
そういって、わたしのあごについたタルタルソースを拭ってくれるこの人は悠介くん。周りからも言われてるが、最近良い感じの人。学年は一緒だけど年齢は1つ上で、比較的面倒見がよく頼りになる男の人だ。でもお酒が入るとすぐ寝ちゃうという可愛いところもあって、おまけにベビーフェイス。女の子にモテないわけが無い。
その美貌とスタイルで芸能界に進みたいと思ってて、ちゃんと行動も起こしてる。雑誌にのったとか報告受けても、メンズ雑誌読まないし....とかおもって、いつか見るね なんて適当な返事をするわたしに興味が湧いたのか、最近やたら関わってくるようになった。「おい、でぶ」と言ってわたしの二の腕のお肉を摘むのが彼の日課になっていて、何げにハマってるらしい。
「岡安さ、彼氏つくんないの」
不意にそう言われて、頭に浮かんだのは慎司さんだった。連絡を取り続けて約半年。何度か会って、ご飯を食べて、部屋に行きたいと言われたこともあったけど 友達が泊まりに来るからと下手な嘘をついて逃げてきたこともあった。まだ体の関係がないのは、深入りして傷付くのを恐れている証拠だった。頭に浮かんだ慎司さんの横顔を消して、冷静に「つくれないの」とだけ答える。
「じゃ 今日うち来いよ。飯作って」
「ご飯くらいならいくらでも作りましょう」
料理の腕に少し自信があったわたしは、得意げな表情でそれを承諾した。
学校のあと2人でスーパーに行き食材を買っているとき、わたしが求めていたのはこういう緩い幸せだったなと思い出した。ピーマン食べれないから入れないでとか、レタスこっちの方が大きいよといった何気ない会話が、慎司さん相手には出来ない。隣には悠介くんがいるのに、わたしが求めていた形の幸せを掴めないのに どうしてあんな人好きなままなんだろうと、頭の中は慎司さんに占領されていた。
