もちろん恋愛になると淡白。冷たいというか....無関心。恋愛に盛り上がって、ハメ外して妊娠したらわたしの計画狂っちゃうとか考えて、エッチするときは必ずゴムつけていた。これは当たり前のことだけど、周りを見ると意外と守られていないルールだったりする。結婚して子供つくってという順番を狂わすことが嫌だったんじゃなくて、仮に赤ちゃんができたとして、その子が“できちゃった子"と言われることだけは避けたかった。だから当たり前のことは当たり前にしたいと思って、相手がそれを拒否してきた場合も自分を貫いてきた。
男性から見たらめんどくさい女なんだろうな。
だけど自分を曲げることは出来ない。
強情なの、わたし。
「ごめんね。ほんとごめん」
さっきから慎司さんからのメールがうるさい。会えないことが分かってから返事する気にもなれず、布団の中でいじけていた。恋愛に対しては淡白だったはずなのに....なにこれ、構ってほしいオーラぷんぷんじゃん。
深夜2時。
携帯が震えた音がして目が覚めた。
「んー?」
「かな!!ごめん!!」
「慎司さん....」
電話の向こう側にいる慎司さんはすごく焦っていて、何度も何度もごめんと呟いている。ほんとは その晩奥さんと子供たちは実家に泊まりに行く予定だったが、中止になってしまったらしい。それで慎司さんは急いで子供を寝かしつけ、奥さんが寝たあと部屋をこっそり出て、今 家の外でわたしに電話してるんだと。
黙ってそれを聞いたわたしはドタキャンされた悲しさや、一人で布団にくるまる寂しさをぶつけるように、溢れてくる言葉たちで慎司さんを責めた。でも決して「会いたかったのに」なんて言わない....言えない。ほんと可愛くない。
「こんな寒いのに外にいるなんて....馬鹿じゃないの?なんでそんなことするの?」
ずっと相槌を打ってくれていた慎司さんがいきなり黙って、あ....馬鹿は言い過ぎたかも....と後悔したときだった。
「かなを失う気がした」
慎司さんは小さく呟いた。
胸が。
痛い。
慎司さんは気付いていた。もうわたしは慎司さんのものだって....
わたしは気付かないフリをしていた。慎司さんから離れられないなんて....
慎司さんの呟いた一言の中に、今のふたりの関係がギュッと詰まっていた。慎司さんが本気かどうかなんて分からない。本気だったとしても、どうにかなる問題ではない。そもそもスタートがないのだ。なのに慎司さんの言ったその言葉がすごく心地よくて、嬉しくて涙が出そうになった。
思い出という思い出もないのに、どうしてこんなに好きなんだろう。わたしは完全に、慎司さんにハマっていた。
男性から見たらめんどくさい女なんだろうな。
だけど自分を曲げることは出来ない。
強情なの、わたし。
「ごめんね。ほんとごめん」
さっきから慎司さんからのメールがうるさい。会えないことが分かってから返事する気にもなれず、布団の中でいじけていた。恋愛に対しては淡白だったはずなのに....なにこれ、構ってほしいオーラぷんぷんじゃん。
深夜2時。
携帯が震えた音がして目が覚めた。
「んー?」
「かな!!ごめん!!」
「慎司さん....」
電話の向こう側にいる慎司さんはすごく焦っていて、何度も何度もごめんと呟いている。ほんとは その晩奥さんと子供たちは実家に泊まりに行く予定だったが、中止になってしまったらしい。それで慎司さんは急いで子供を寝かしつけ、奥さんが寝たあと部屋をこっそり出て、今 家の外でわたしに電話してるんだと。
黙ってそれを聞いたわたしはドタキャンされた悲しさや、一人で布団にくるまる寂しさをぶつけるように、溢れてくる言葉たちで慎司さんを責めた。でも決して「会いたかったのに」なんて言わない....言えない。ほんと可愛くない。
「こんな寒いのに外にいるなんて....馬鹿じゃないの?なんでそんなことするの?」
ずっと相槌を打ってくれていた慎司さんがいきなり黙って、あ....馬鹿は言い過ぎたかも....と後悔したときだった。
「かなを失う気がした」
慎司さんは小さく呟いた。
胸が。
痛い。
慎司さんは気付いていた。もうわたしは慎司さんのものだって....
わたしは気付かないフリをしていた。慎司さんから離れられないなんて....
慎司さんの呟いた一言の中に、今のふたりの関係がギュッと詰まっていた。慎司さんが本気かどうかなんて分からない。本気だったとしても、どうにかなる問題ではない。そもそもスタートがないのだ。なのに慎司さんの言ったその言葉がすごく心地よくて、嬉しくて涙が出そうになった。
思い出という思い出もないのに、どうしてこんなに好きなんだろう。わたしは完全に、慎司さんにハマっていた。
