わたしは22歳で大学卒業して、25歳で結婚。30歳までには2人ぐらい子供を産んで、幸せな家庭を持つ予定だった。夫になる人は優しくて、それなりに経済力もある人。子供は女の子と男の子を一人ずつ。老後は夫の実家の縁側でみかん食べたり....なんて、ガキなりに夢膨らませてた。
そんな自分が、まさか奥さんいる人好きになるなんてね。ほんと笑える。

きっとこれは気の迷いだって言い聞かせた。人肌恋しい季節に出逢ってしまっだけであって、時間とともにこの気持ちは薄れていくはず。基本、恋愛は引きずらないタイプだからすぐに忘れる。それが悲しいなんてことはない....だってわたし、強い子だから。


小学生の頃女の子の手袋を勝手に丸めてボールにして、教室で野球ごっこをしていた男の子に平手打ちをした。
中学生の頃は鬼ごっこをして窓ガラスを割った。
高校では部活に明け暮れて、色気も何もなかった。
その割にはモテた。自分で言うのはどうかと思うけど、そんだけ好き勝手やってるのに友達も多かったし、異性からの評価も良かった。決して外見がいいわけではないが、そうゆうことに困ることもなかった。というか....自分に都合の悪いことは聞こえないようにしていた(笑) 人の言っていることを気にして、自分の良いところまで相手に染められたくないから。人に媚びることが嫌いだったし、気持ち悪いとさえ感じているような子だったから、相当ひねくれていたんだと思う。

物心ついた頃から姉御肌。わたしの携帯はみんなにとって無償のコールセンターって感じだったと思う。悩みがあったらとりあえず岡安に相談してみよう的な。でもわたしはそれが嬉しかった。頼られてる....必要とされてる感じがして充実感に溢れていた。
逆にわたしは人に頼ることが苦手だった。人を信頼して、自分をさらけ出すことが恥ずかしいと感じていた。悩みという悩みもなかったし、人の悲しみや苦しみに寄り添うことで自分も精一杯生きてるって錯覚していたのかもしれない。

わたしは強かった。

学生のクセに、可愛げの無い女の子。