GoodByeForever—浪速のスピードマン—


気がつくと、
もう辺りはそんなに明るくない

オレンジは底の方まで沈んでしまっていた

周りに飯を食えるような店は見えへんかった

『オッサンどこ連れて行こう思てんですか!!』

痺れを切らしたワイはオッサンに聞いた

すると、すぐに自転車は止まり、

『ここだ』

そこは、何の変哲もないようなパン屋やった

ただ、その店の看板には、
「田所」
の字があった