「私には、10年前 …6歳以前の記憶が ないんだ〜。でもね、毎日夢の中で 小さな私と顔の見えない少年が約束 してるの。“ 待ってるから ” “ 迎えにくるから ”って。」 そこで陽ちゃんは驚いたような顔をする。 「陽ちゃん…あなただったんだね。」 そう言うと、陽ちゃんは優しく抱きしめてくれた。 「覚えててくれたんだ。辛かったね。 俺が側にいない間美沙はこんなに苦し んで、よく頑張ったな。俺がずっと側 に居るから。」