「ふーっ、お腹一杯。」



「江奈ちゃん…ちょっといい?」



「ん?何?」



今逃したらずっとできないかもしれない。



姉の思い、クリスマスという日、そして俺の覚悟。



明日になったらできなくなるかもしれない。



俺は江奈ちゃんの手を引っ張ってレストランの外へ出た。



江奈ちゃんは驚いた顔をして、俺はそっこーで顔を真っ赤にしていた。



震える手を必死に離さないように握って…



「江奈ちゃん…俺…」



何か察したんだろうか。



「恥ずかしいから…裏じゃだめかな。」



裏とはレストランの裏側のこと。こっちはほとんど人は通らない。ただし暗い。


俺はまた手を握って裏に向かった。



さっきの勢いで行きたかったが仕方ない。



ここで勇気を出すんだ!
頑張れ俺!



「あの…さ。俺…いつも引っ張ってもらって…でも今日くらい俺からしたっていいよね。俺…江奈ちゃんのこと好きだ!!」



そして俺は



人生二度目のキスをした。


まだ下手くそだけど、それでも俺達にとってこのキスは忘れられないものとなった。



「まさか都央留くんからしてくれるなんて…私嬉しいよ。」



顔がまた赤くなる。この癖いい加減直したい。



「お返しに私からのプレゼント。はい受け取って。」


「これは…」



江奈ちゃんがくれたのは靴のついたストラップだった。



江奈ちゃんが左足。俺が右足で片方ずつ持つことにした。



江奈ちゃんも靴か…
そう思ったらつい



「ははっ…」



「何?笑ってるけど。そんなに嬉しかった?」



つい心の気持ちを表に出してしまっていた。