「して…いいよ。」



!!!!!!???????



江奈ちゃんが小声でささやいた。



いくら周りに人がいないからって…まだ心の準備が…


「キース!キース!キース!スーキ!すき焼き!!」



やめろやめろ!



分かった…やるしかないんだな。



江奈ちゃんに少しずつ近づく…



「あっ!」



時すでに遅し。
俺は支えていた手を滑らせてしまいキスはしたもののキスしたところはほっぺ止まりとなってしまったのだ。



これは…さすがに怒るな…


「ふふふふっ…あはははっ♪」



「江奈ちゃん?」



「ありがと。」



怒って…ない?いやむしろ笑ってる?



「都央留くんは期待を裏切らないね。」



「いやこれは事故であってその…」



「顔真っ赤だよ。」



はああああっ…
もう限界だ。



「ちょっと都央留くん!?鼻血出てるって!大丈夫?今ティッシュあげるから待ってて。」



「へ…?」



地面を見ると、雪に赤い血がついていた。



のぼせたのか…あぁ、頭もぼーっとする。



「はいティッシュ!」



「ありがとう…。」



原因はあなたです。…とはさすがに言えなかった。



俺の鼻血が止まる頃にはもう夕方。



夜はレストランで食事。



江奈ちゃんのおすすめってここは…



朝霧病院のすぐ近くだった。



複雑な気持ちのまま俺はレストランに入ろうとした。


そのときだった。



「私都央留のことが好きなの!!」



それは俺と会うことをあれほど拒んでいた痩せ細った姉が目の前に立っていたのだ。



「は?」



全く理解できなかった。