「次江奈ちゃんが来るときに聞いておきますよ。」



「お前急に江奈ちゃんって呼んだな。」



「負けませんから。」



まだ張り合うつもりだったのか…



「じゃあ、頼んだぞ。」



「ガチャッ」



…はぁ、疲れた。



あれから病院に行こうとも考えたがやはり行動に移すことはできなかった。



数日後。再び電話男のところへ向かった。足のサイズを聞くために。



今回は500円を入れて。


「FOOOOOO!!!」



「おい。テンション上がりすぎだ。鼓膜破れるからやめろ。」



「お金♪お金♪」



「……。お金は渡したぞ。足のサイズを教えろ。」



「23.5センチ。お金だあああ。やりました。電話男感激です。」



「あぁそうか。それは良かったな。」



「…で何で足のサイズなんか…」



「何でもいいだろ。」



「冷たい男は嫌われるぞ♪」


「この態度はお前だけだ!!」


「どうせクリスマスプレゼントか何かなんでしょう。」



なっ…なぜ分かった。



「靴屋だから靴をプレゼントですか。安易な考えですね。」



「俺の名案を侮辱するな!」


いや。もう名案でもないか。



「今回こそはあなたからもちろん誘うんですよね。」


「まぁな。」



「随分と自信がおありのようで。何か策でも?」



「まだ計画中だ。」



「だったら丁度いいですね。私のエスコート術を伝授して差し上げ…」



俺がいつものように受話器を置こうとした時だった。


「そうはさせませんよ。」