もしもし?私電話男です。

「ちょっと…やめてくださいっ!!」



「いいだろぉっ…これでお金儲けできるんだから。あいつらの給料下げたのもあるんだけどな。」



店長…また俺は騙されたのか。



漏れそうになる声を必死に手でおさえてこらえた。



止めにいこうと思っても足が動かない。それに行ったところでどうなる。



尾張さんがまたこんな目に…俺のせいでもあるんだよな。俺が責任とらないと。


「やっ…やめろおおっ!!」



「都央留くん…君どうしてここに…」



「もう彼女を傷つけないでください。ともかく話をすれば」



「話をすれば…だと。笑わせてくれるな!」



いつもの店長じゃない。いやもしかしたら、こっちが本当の店長なのかもしれない。



尾張さんはただ見てるだけで…



「もうこの靴屋の経営もやっとやっとだったんだ。だから何人かクビにするつもりではあったんだ。給料減らせば、みんなやめてくれて静かにこの靴屋を閉めれたのに…もう疲れたんですよ!!」



「店長…」



「あなた方にもうお金なんか払いたくない。どうせなら最後に夢のある人にはらってあげるべきだと。そう思ってな。」



「ごめんなさい。」



突然黙っていた尾張さんが口を切った。



「ごめんなさい。私夢なんかないんです。留学なんてしません。」



…え?それってどういう…


「すいません。お金返しておきますね。失礼しました…」



「尾張さんっ!!」



尾張さんが走っていくのを見たらいてもたってもいられず追っかけていた。



「尾張さん待って!」



彼女の腕を掴むとそこで立ち止まった。



「私は…またあなたに救われるのね。」



「えっ。どういうこと?」