それから毎日彼女は他の店員も驚くほどの接客をこなしていた。



俺の肩身が狭くなる一方だ…。



応援したいのはもちろんだが、俺にだって生活がある。もしここでクビになったらお先真っ暗ってなわけだ。



今日は給料日。



「はい、これ雑務くんの分…」



「これは!!…下がってる!!」


明らかに下がっていたのだ。俺の給料が。



今までいくら不況っても下がることなんてなかったのに…これはどういうことなんだ。



俺は他の店員にも聞いて見ることにした。



「あれ?おかしいなぁ?給料がいきなり減るなんて…」



そう。給料が下がるのが俺だけならまだしも他の店員にも影響が出ていたのだ。


ただ一人を除いて。



こっそり尾張さんのを覗き見させてもらった。



俺らの中で…明らかに一番もらってる!!



頑張ったからではいくらなんでも言い訳がつかないほどの金額だった。



お金の大切さを分かっているからこそこの問題に引っ掛かるものがあった。



お金のことならお金のことにうるさいあいつに聞くのが一番かもしれないな。



と言うことで、いつものように番号を押してかける。


「もしもし?私電話男です。また恋愛相談ですか。」


「いやそれなら心配いらない。デートもうまくいってるしな。」



「ほほぉーう。んでその先は?」



「……っともかく今はそんなことはどうでも…どうでもよくはないが置いといてくれ。それよりも、今回はお前が大好きな金の話だ。」



「ぬぁんですとぉぉおー!!!」