そこへ…あの先日のクレーマーがあらわれた！



もう怒っている様子はなかったが俺を見るや否や目を丸くしていた。



俺また気にさわるようなことしたか？



…あ。



思い出した。俺あいつにクビにされたことになってたんだった！だから俺がここにいることがおかしいと思ってるんだ。そうに違いない！



んなことはどうだっていい。



すると店長。ある提案…というか半強制的に命令した。



｢あの人の接客をしてごらんなさい。それで決めようじゃないか。｣



ええっ!!いきなりやらせるのは、いくらなんでも難しいんじゃ…



しかし、驚いていたのは俺だけらしく尾張さんは、



｢分かりました。｣



とそうはっきり言ったのだ。



大丈夫かな。俺よりはいいかもしれないけど…



そんな心配どこ吹く風。
彼女はあのクレーマーとごく普通に会話していた。



もちろん日本語がほとんどだったが英語で聞かれてもすんなり答えていた。



｢これは雑務くんの立場が危うくなってまいりましたな。｣



｢店長…笑い事じゃないですよ。これじゃあ本当にクビになりかねませんよ！｣



尾張さんが戻ってくると店長は一言。



｢はい君採用!今日はいいから明日からすぐに働いてもらうよ。｣



｢はいっ。よろしくお願いします。｣



深々と礼をして書類を色々書いたり出したりして帰っていった。