しかも尾張さんは何やら頼んでいるようだった。



店長に必死に頭を下げていた。一体彼女に何が?



「店長お願いします!私をここでバイトさせてくださいっ!!」



へ?バイト?ここで?尾張さんが?また勝手に飛び出して来たのだろうか?



てっきり客として来ると思っていたから度肝を抜かれた。



「いやー急に言われてもねぇ…」



「急じゃありません。高槻さんからここを紹介されたんです。」



「ちょっと雑務くん来なさい。」



何で俺が悪いみたいになってるんだ。



「俺は客として紹介したまでで、バイト先としての紹介はしてません。ですが、彼女がしたいというならそれでいいじゃないですか。」



「そういうほど簡単な問題じゃあないんだよなぁ。」


「今時不景気だし…ま、雑務くんが辞めてくれるならいいけど。」



「ちょっと店長!?」



この流れはまずいのでは。早く止めなくては!



だがしかし、尾張さんをここから追い出すのもなぁ…


悩んでいると店長が切り出していた。



「何か…理由でもあるのかね。」



「はい。ちょっと留学してこようかと。」



「留学!?」



店長と俺が口をそろえて言った。



なんとまさかの急展開。



「え?どこに?何で?」



「高槻さん驚きすぎ。」



いやそりゃあ誰だって驚くだろ。親と話し合わなかったのかな…