「都央留くん、次こそあなたから誘ってみてはどうですか?」



一瞬ドキッとした。
そういえば、江奈ちゃんにも言われたな。



あれから一度もデートをしていない。



もうすぐクリスマスなんだし…



分かってはいるんだけと…


あぁ。ダメだ。考えれば考えるほど頭が痛くなる。



「都央留くんー。都央留くんー。どうかしましたか?」



「……はっ!」



「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。私がついてますから。あとは都央留くん次第です。」



似たようなこと前にも言われたような…



「じゃあ切るぞ。」



「あらもうですか。恋の病にかかって具合が悪くなってしまいましたか。」



「何で分かった…」



「分かりますよ。バレバレです。」



「……そうか。じゃあな。」


「ガチャッ」



これで一件落着。そう思っていた。でもまだ終わりではなかった。



終わったと言えば終わったのだが終わってないと言えば(以下略。)



家に帰ってから明日またあのクレーマーが来るのかな何てことを考えながら眠りについた。



次の日に靴屋に着いてすぐにとんでもない光景がそこにあった。



何度も目を疑ったがまぎれもなくその女性があのクレーマーではなく



尾張さんだったのだ。