「もしもし?私お客様が靴を買ったときの責任者のものですが。」



「私の靴を買わせた人を出して。」



「申し訳ございません。そちらのものは今回の責任をとるということでクビになりました。」



「じゃあ仕方ないからあなたでいいわ。」



「でもお客様にも責任があるのでは?」



「何それ。喧嘩売ってるの?」



「まぁ、落ち着いてください。あなた、スマホ持ってますか?」



「持ってませんけど。それが何か。」



「……左様ですか。ではあなたは具体的にどうしてほしいのですか。」



「私の要望に答えてくれる靴が欲しいの。」



「返品して新しい靴を買いに来ればいい話ではありませんか?」



「それじゃあだめなのっ!!」(これだけ日本語。)


「あら。やはりそうでしたか。日本語も喋れると…つまりわざとクレームをしたと…」



「そんなんじゃ…」



「もうわざわざ英語を話す必要はありません。何故こんなことをしたんですか?」



「別にクレームの内容なんてどうでもよかった。私はクレームを別のところでしていたことがあって。ただ謝ればいいとかそんな日本人が大嫌いで。私は日本とアメリカのハーフだから自分は日本人とは思っていない。だから私が鍛え直してあげようと思ってね。」



「確かにそういう日本人が多いのは真実です。ですが、あなたがそう思うなら日本語で教えてあげてください。そしたらきっと分かってくれます。」



「あなたみたいな人のクレーム対応始めてだわ。…そうね。私も頭を冷やしてまた靴屋に行こうかしらね。」



「お待ちしております。それでは失礼致します。あっ、すいませんでした。」