「あなたとは違ってスマホとか持ってるはずです。」


「お前が何でそれを知っている…」



「今時通訳アプリとかだってあるじゃないですか。ま、私の方がそんなものよりは有能ですが。」



「自信たっぷりだな。」



確かにさっきの訳仕方からみると、英語ができる人のやり方だった。



「だからそこに漬け込むんです。」



「じゃあ、ガラケーだったり、ケータイもってなかったらどうすんだよ。」



「……。」



「それに、逆に言うと俺以外の店員がそのアプリを使えば良かったんじゃないのか?」



「……じゃあ、はりきって行こー!」



「おい!」



「まずは謝ることから始めてくださいね。相手になるべく刺激を与えないように。」



相変わらずだとは思うが、電話男のスルースキルは相当高いな。



「それから、商品をほめてください。それでだめなら返品してくださいと言いましょう。どんな靴がいいかはもう分かるんですから。」



「対応の仕方は分かったけどさ…お前と外人とは同時に電話できないだろ。どうやって電話するんだ?」



「ここまで説明しといてなんですが、この件に関しましては全て私が勤めさせていただきます。」



「はああああ!?」