仕事が終わり、いつもの公衆電話の前に来ていた。



深呼吸して…落ち着いていけば大丈夫…だよな。



やはりここに来ると緊張する。



その場の勢いとは行ったけど…やっぱりそう簡単にはいかない。



でもやるしかない!



受話器をとり、電話番号のメモを見ながら、ゆっくり1つずつ押していった。



心臓がばくばくして押さえきれない。



耐えろ俺!耐えるんだ!



しかし…



……ってまさかの通話中!?


何ていうどんでん返し。



今までの時間返せ。いや、出直してこいということか…



このままだと何も話さないで終わる可能性もある。



仕方がない。苦肉の策として、あの自称プレイボーイのあいつに助言を頼むか…


良かったら採用しよう。たまに以外と良いこと言ったりもするからな。



今度は、0を10回躊躇せず連打した。



もう慣れたものだ。



「もしもし?私電話男です。」



「お前、自分でプレイボーイって言ってたよな。じゃあ、恋愛についてなら何でも分かるんだよな?」



「何ですか急に。…まぁあながち間違ってはないですがかれこれ昔のことですので…」



「そうか、ならいい。聞きたいことがある。俺、初めて彼女できたんだけど、まだ3日何だけど何も連絡取り合ってなくて…これってどう思う?」



「んーそうですね。まずはお相手の情報がないので何も言えませんね。」



「名前は陽崎 江奈。大学4年生で俺よりずっと年下なのに、彼女の方が大人っぽいんだ。だけど、笑ったときが子どもの様に無邪気で…」



「はいはい自慢ならよそでやってね。……陽崎 江奈…」



「ん?どうかしたか?」



「いえ。こちらの話です。なるほど。では彼女はSで都央留くんはMということでよろしいですね。」



「いやそういうことでは…」


そういうこと…なのかもしれない。