もしもし?私電話男です。

「くそっ…」



先輩は膝を床に落としていた。すでにノックのしすぎで手が腫れていた。



「本当にいるんですかね?」


「どういうことだ?」



何かがおかしい。



「だって物音ひとつしないし。養育費欲しければ取りにくるはずなのに。」



「人間不信とか鬱とかかもしれないだろ。」



考えすぎなのか。



いや、嫌な予感がする。



「失礼します。」



「ちょっとお前、何を…」



「ドンッ!」



木のドアだったので、簡単に壊れた。



「おい…お前何をやっているんだ。」



俺達の視線の先には先輩の妻と子どもにロープを縛り付け。口にはタオルで塞がれていた。



そしてそこに1人の男がたっていた。



その時、忘れかけていたことを思い出した。



あの光景にそっくりだ。
尾張さんと主であるお父さんとの…



「さっきの電話は…嘘だったのか。」



「そう。そしてもう1つ教えといてやろう。俺とこいつは友達なんかじゃない。」



「付き合ってた。」



「なっ…何を」



「これも嘘だと思うか?信じるかどうかは好きにしろ。」



「こいつお前のこと好きらしいぜ。でも別れた。それは俺が無理やり引き離したんだ。」



「本当なのか?…答えてくれ!明美!!」



よし!今だ!!



俺はその男に向かって靴を投げつけた。



「グオッ!」



クリーンヒット頂きました。