「俺を呼んだのはお前だろ。」



明らかに受話器から声が聞こえる。



心霊現象か何かか…?



「誰か知りませんが俺はあなたを呼んだつもりはありません。」



受話器を戻そうとすると



「待て待て待てー!!」



騒がしいやつだ…



興味本意で受話器を戻すのをやめてこいつと話してみることにした。



「私は電話男。別名コールマン。お前は?」



「高槻 都央留って…ええ!?」



小さな画面にタカツキ トオル トオロク カンリョウ と書かれていた。


お前は電話帳か何かかとケータイ使わない俺が突っ込みたくなったがあながち間違いでもなかったらしい。


「今、あなたの顔と声を登録しました。」



そういやさっきのトオロク間違ってるのに口ではとうろくって言えるのな。



何だばくってるのか?



「都央留くんの電話番号は知っているよ。いや、日本中の全ての電話番号を完全網羅してるよ。歩く電話帳とでも呼んでもいいんだよ。」



お前はそもそも歩かないだろ。



「うるさい。」



「冷たいなぁ…でも何でその番号を知っ…」



「あっ…」