もしもし?私電話男です。

「私もさっき知りました。ことの全てを。」



「何を言っている…」



「私も信じられませんでした。私はこの人の顔を知りませんでした。」



まっ…待ってくれ。頭の整理が追いつかない。



それでも、尾張さんは真実を語り始める。



「私はこの家に生まれたものだったみたいです。お父さんは私が幼い頃、暴力をふるったらしいのです。それを見かねたお母さんはお母さんのいとこの家に預けたそうなんです。でもそのお母さんは病気で亡くなりました。」



「そして、いとこの夫婦を今まで私は本当の親だと思い込んでいた。それが間違いだとも気づかずに。しばらくして、私は一人暮らししたくて家を出てお金がないからホームレスになった。自由になって幸せだった。けど、生きていくには万引きをするしかなくて…」


「そして万引きしようとしたとき。本物のお父さんに会ったの。そのときはそんなこと知らなかったから必死に抵抗したけど、無理やり連れていかれたの。そしてそれからはまるで作られた人形のように大事に扱われた。」



「そして整形させられた。豪華な生活だったけど、1つも嬉しくなんかなかった。ここを自分の家だとも知らずに…それでもホームレスの方が良かったから出てったらこんなことに…」



「でもそんなに大切にしてたのにどうして殺そ…」



自分で言い終わる前になんとなく悟った。



お父さんの本能的な暴力が押さえていた分爆発してしまったんだろう。